コーチングとカウンセリング、どちらを受けるべきですか?
おおまかな目安は、日常生活に支障が出ているかどうかです。眠れない・食べられない・仕事や家事が回らない状態なら、まず医療や心理の専門家に相談してください。日常は保てていて、これからどうするかを整理したい段階なら、コーチングが合いやすくなります。迷ったときは、安全側に倒して専門家に相談するのが原則です。
まず、安全側の原則
はじめに大事なことを書きます。
判断に迷う状態なら、先に医療・心理の専門家に相談してください。 心療内科・精神科、自治体の相談窓口、勤務先の産業医や相談室、学校のスクールカウンセラーなど、入り口はいくつもあります。
コーチングは治療ではありません。抑うつや不安が強いとき、コーチングを先に始めると、必要な支援が遅れることがあります。逆に、専門家に相談した結果「コーチングのほうが合いそうですね」と言われるのは、まったく問題のない流れです。順番として、範囲の広いほうから確かめるのが安全です。
判断の4つの目安
どちらが合いやすいかは、次の4点で見当がつきます。
| 見るところ | カウンセリング・医療が優先 | コーチングが合いやすい |
|---|---|---|
| 日常生活 | 睡眠・食事・出勤などに支障が出ている | 日常は保てている |
| 気力 | 考えること自体がつらい、動けない | 動く余力はあるが、方向が定まらない |
| 話の中心 | 過去の傷つき、症状、繰り返す苦しさ | これからのこと、目標、選択 |
| 求めているもの | 回復、安全、受けとめてもらうこと | 整理、決断、行動の後押し |
4つのうち左側に当てはまるものが1つでもあるなら、まず専門家です。すべて右側なら、コーチングが機能しやすい状態と言えます。
両者の役割の違いそのものはコーチングとカウンセリングの違いで詳しく扱っています。
自分で確かめるための問い
決めきれないときは、次の問いを紙に書いて答えてみてください。相談窓口で状況を説明するときの材料にもなります。
- 「この1か月で、眠り・食事・仕事のどれかに変化はありましたか?」
- 「今いちばん困っているのは、過去に起きたことですか。それとも、これからどうするかですか?」
- 「もし今日、何かを決められるとしたら、決める力は残っていますか?」
- 「誰かに相談するとしたら、何を助けてほしいですか。整理ですか、受けとめてもらうことですか?」
最後の問いへの答えが「まず受けとめてほしい」であれば、コーチングよりカウンセリングの領域です。
併用と切り替えについて
二者択一とは限りません。医療にかかりながら、体調が安定した段階でコーチングを併用する形もあります。その場合は、両方の担当者にその旨を伝えておくことが大切です。
また、コーチングを始めてから範囲外だと分かることもあります。信頼できるコーチは、そのとき「これはコーチングの範囲を越えるので、専門家につなぎましょう」と言えます。この一言が出るかどうかは、選ぶときの重要な判断材料です(コーチングは怪しい?)。
言えること/言えないこと
言えること:日常生活への支障の有無が、実務的にもっとも使いやすい線引きです。
言えないこと:この記事の内容は診断ではありません。目安に当てはまらない状態も当然あります。心身の不調が続くとき、自分や誰かを傷つけたい気持ちがあるときは、この記事を閉じて医療機関や公的な相談窓口に連絡してください。
