質問大全

もし分かるとしたら、どんなことだと思いますか?

ひとことで言うと

「分かりません」で止まったときに、仮定の形で本人の考えに触れる質問です。使いどころと、追い詰めないための注意点を解説します。

この質問のねらい

「分かりません」と返ってきたあとに、仮定の形で一歩だけ差し出す質問です。「分かる/分からない」の二択から、「もし分かるとしたら」という三つ目の置き場所に移します。

仮定にすることで、答えの正しさを引き受けなくてよくなります。当たっているかどうかを保証しなくてよい状態になると、途中まで浮かんでいた考えが口に出しやすくなることがあります。

使いどころ

  • 考えはありそうだが、言葉になりきっていない様子のとき
  • 「正解を言わなければ」という緊張が見えるとき
  • セルフワークで、自分の考えが止まったとき

一方で、「分かりません」を突破するための道具として使わないでください。二度、三度と重ねれば、それは答えを強要する形になります。

沈黙や「分かりません」は、拒否ではないことが多くあります。考える時間が必要なとき、感じてはいても言葉にできないとき、そして答えることがこの場では安全でないと本人が判断しているとき、同じ言葉が出ます。いずれも尊重されるべきものです。質問を重ねて追い詰めず、答えないという選択もそのまま認めてください。

元気のない状態が続いている、日常生活に支障が出ているといった場合には、質問を重ねることよりも、医療や心理の専門家につなぐことが優先されます。

言い方のバリエーション

  • 「当たっていなくて構いません。何か浮かびますか」(正しさを外す)
  • 「あえて言うとしたら、どんな感じでしょう」(仮の答えとして扱う)
  • 「まだ言葉になっていない感じ、ということでしょうか」(分からなさを言語化する)
  • 「今日はここまでにして、また考えてみますか」(引き取る)

背景にある考え方

仮定を使って一時的に制約を外す問い方は、解決志向アプローチでよく用いられます。「もし〜だとしたら」という枠は、現実の責任を負わないまま思考を動かす余地をつくります。

ただし、この技法は関係が整っている場面で機能するものです。信頼が十分でない段階では、うまく答えられない自分を突きつけられたように受け取られることもあります。使いどころを選ぶ質問だと考えたほうが安全です。

会話の流れ(例):この質問から行動まで
  1. 1聞くもし分かるとしたら、どんなことだと思いますか?
  2. 2深めるその考えは、どのあたりから浮かんできましたか?
  3. 3広げるもし半分だけ分かっているとしたら、どの半分でしょうか?
  4. 4決めるでは、最初の小さな一歩は何にしますか?

答えを急がず、相手の言葉を受けとめてから次へ進みます。沈黙は考えている時間です。

つまずきやすい例

つまずき「わからない」と言われた直後に「もし分かるとしたら?」を繰り返し、追い詰めてしまう。

なぜ?考える余裕がないときに仮定の質問を重ねると、問い詰めに感じられるからです。

こうする少し間をおき、「思いつかなくても大丈夫です。浮かんだら教えてください」と逃げ道を残します。

この質問の深さ

階層2・認識 その出来事をどう捉えているかを言葉にする層。

続けて聞く(深掘りの質問)
  • その考えは、どのあたりから浮かんできましたか?
  • もし半分だけ分かっているとしたら、どの半分でしょうか?
  • いまは分からないままにしておく、でも大丈夫ですか?

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