いつ、どこで、それをやりますか?
「いつ、どこで、それをやりますか?」は、決めた行動に時間と場所を与える質問です。使いどころ、深掘り、背景の考え方を解説します。
この質問のねらい
「やります」という意思表明と、実際の行動のあいだには大きな隔たりがあります。この質問は、決めた行動に具体的な時間と場所を与えることで、その隔たりを縮めます。
時間と場所が決まると、行動は意志の問題から段取りの問題に変わります。当日「やろうかどうか」を判断する必要がなくなり、判断の消耗を避けられるという説明もあります。
使いどころ
- セッションの終盤、行動を決めたあとの締めくくり
- 前回の行動が実行されずに終わったとき
- 習慣として定着させたい行動を扱うとき
- 予定が埋まりやすい人と、時間の確保を相談するとき
効きにくいのは、予定が自分でコントロールできない働き方をしている場合です。訪問や対応が突発的に入る仕事では、日時の固定が現実的でないことがあります。その場合は時刻ではなく「朝の打ち合わせが終わったら」のように、既存の行動を目印にするほうが機能します。また、細かく詰めすぎると管理されている感覚を与えます。一度確認したら、あとは任せる姿勢が要ります。
言い方のバリエーション
- 「今週のどこに入れますか?」(範囲を示す)
- 「何をした後にやると決めておきますか?」(既存の行動に結ぶ)
- 「その時間、いま予定に入れておきますか?」(その場で確保する)
- 「やる場所は、どこがよさそうですか?」(環境に寄せる)
背景にある考え方
Gollwitzer が提唱した実行意図は、「もしXの状況になったら、Yをする」という形であらかじめ決めておく手続きです。目標意図だけを持つ場合に比べ、行動の実行率が高まると複数の研究で報告されています。
「いつ、どこで」を尋ねるのは、その最も簡単な実装だと言えます。Oettingen のWOOPでも、最後の段階で同じ形式の計画を立てます。ただし、実行意図は本人が本当にやりたいと思っている行動に対して働きやすいとされます。納得のない行動に日時を付けても、実行されるとは限りません。
- 1聞くいつ、どこで、それをやりますか?
- 2深めるその時間は、すでに予定に入っていますか?
- 3広げるその場所で、邪魔が入るとしたら何でしょう?
- 4決めるでは、最初の小さな一歩は何にしますか?
答えを急がず、相手の言葉を受けとめてから次へ進みます。沈黙は考えている時間です。
つまずきやすい例
つまずき「いつ・どこでやる?」を細かく決めすぎて、予定が崩れたときに全部やめてしまう。
なぜ?計画が細かすぎると、一度の崩れで挫折しやすいからです。
こうする「できなかったときは、いつに振り替える?」まで一緒に決めておきます。
階層7・行動 現実の一歩に落とす層。小ささが継続を生む。
- その時間は、すでに予定に入っていますか?
- その場所で、邪魔が入るとしたら何でしょう?
- 直前に何をしていたら、思い出せそうですか?
