クローズドクエスチョン(Closed Question)

用語辞典 コーチング技法 よみ:くろーずどくえすちょん/最終更新:2026-08-26

定義

「はい/いいえ」や短い言葉で答えられる質問。事実の確認、意思の決定、話す負担を軽くしたい場面で使われ、対話の足場をつくる役割を持ちます。

「悪い質問」ではない

クローズドクエスチョンは、しばしばオープンクエスチョンの対義語として「避けるべきもの」のように語られます。しかし実務では、そうではありません。両者は優劣ではなく役割の違いです。

開いた質問は考える余地を広げ、閉じた質問は話を着地させます。会話は広げっぱなしでは終わりません。広げる質問と閉じる質問を往復させることで、対話は前に進みます。

クローズドが有効な3つの場面

1. 事実を確認するとき
「その件、もう先方に伝えていますか?」「期限は今月末で合っていますか?」。前提がずれたまま深い話をしても噛み合いません。確認は短く済ませるほうが親切です。

2. 決断をうながすとき
「では、今週やってみますか?」「その案でいきますか?」。選択肢を十分に広げたあとで閉じる質問を置くと、本人の意思がはっきりします。曖昧なまま終わったセッションは、行動につながりません。

3. 話すのが苦しいとき
落ち込んでいる人、言葉が出てこない人に「どう感じていますか?」と聞くのは、負担が大きすぎることがあります。「眠れていますか?」「少しは食べられていますか?」のように、うなずくだけで答えられる質問から始めると、相手は会話に参加できます。話す力が戻ってきてから、少しずつ開いていけば十分です。

なお、心身の不調が続いている様子があるときは、対話で解決しようとせず、医療機関や相談窓口につなぐことを優先してください。

注意点

閉じた質問の失敗は、尋問になることです。「やりましたか」「できましたか」「わかりましたか」が続くと、相手は取り調べを受けている感覚になります。3回続いたら1回開く、くらいの感覚で十分です。

もうひとつは、閉じた質問に自分の答えを混ぜてしまうことです。「Aのほうがいいと思いませんか?」は、形は閉じた質問ですが中身は誘導質問です。確認したいのか、同意させたいのか。自分の意図を分けて考えると、聞き方が変わります。

閉じて事実を押さえ、開いて広げる。この往復が質問の基本動作です。

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