SBI型フィードバック(SBI Feedback (Situation-Behavior-Impact))
状況(Situation)・行動(Behavior)・影響(Impact)の順に伝えることで、人格評価を避け、事実にもとづいた指摘を可能にするフィードバックの型です。
3つの要素
SBIは、フィードバックを3つの部品に分けて組み立てる型です。米国のリーダーシップ研究・教育機関である Center for Creative Leadership が普及させた枠組みとして知られています。
| 要素 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| Situation(状況) | いつ・どこでの話か | 「昨日の定例会議の後半で」 |
| Behavior(行動) | 何をしたか(観察できる事実) | 「先方の質問に対して、資料の3ページ目をその場で開いて説明していましたね」 |
| Impact(影響) | どんな結果・印象が生じたか | 「先方の表情が変わって、そこから議論が進んだように私には見えました」 |
要点は、Behavior に評価語を入れないことです。「対応が良かった」は評価であり、行動ではありません。ビデオに映る内容だけを言う、と考えると切り分けやすくなります。
使い方と質問例
指摘の場面では、伝えたあとに相手へ返す一問を必ず置きます。
- 「いまお伝えした場面について、ご自身ではどう見えていましたか?」
- 「この影響を踏まえると、次はどこを変えられそうですか?」
伝える前に許可を取る一言も有効です。「昨日の会議について、私から見えたことをお伝えしてもいいですか?」と前置きすると、相手の受け取る構えが整います。
良い行動を伝える場合も同じ型が使えます。褒め言葉だけだと再現できませんが、SBIで伝えると「何をしたから良かったのか」がはっきりします。
注意点
Impact を事実のように語らないでください。 「みんなが困っていた」ではなく「私にはそう見えました」と限定するほうが正確です。ここはIメッセージの考え方と重なります。
時間が空きすぎると効きません。1か月前の行動を Situation として持ち出しても、本人が覚えていません。数日以内に扱うのが原則です。
また、型に忠実になりすぎると不自然になります。「Sは〜、Bは〜、Iは〜」と読み上げる面談は形式的に響きます。順番を守るのは指摘の場面で十分で、日常の会話では「事実→自分に見えたこと」の2つを外さない程度で機能します。
なお、伝える順番については別の考え方もあります。厳しい指摘の場面では結論を先に置かず、理由や背景から入るPREP法の変形が勧められることがあります。相手の状態に合わせて選んでください。
参考文献
- Center for Creative Leadership. (2014). Feedback That Works: How to Build and Deliver Your Message (2nd ed.). Center for Creative Leadership.
